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🗽 自由の女神が微笑む。モルガン銀貨のデザインに隠された情熱と物語

  • 執筆者の写真: おたからや大船東口店スタッフ3号
    おたからや大船東口店スタッフ3号
  • 5 日前
  • 読了時間: 4分

大船にお住まいの皆さま、こんにちは。おたからや大船東口店です。

アンティークコインの世界には、発行から100年以上経った今でも、世界中のコレクターを虜にして離さない「伝説の銀貨」が存在します。その代表格といえるのが、アメリカ合衆国が19世紀末から20世紀初頭にかけて発行した**「モルガン・ダラー(モルガン銀貨)」**です。

大船の活気ある街並みを歩いていると、ふとした瞬間に歴史の重みを感じることがありますが、このモルガン銀貨もまた、手に取った瞬間にアメリカの西部開拓時代の風や、当時の人々の熱き情熱を伝えてくれる不思議な魅力を持っています。

今回は、なぜこの銀貨が「世界で最も美しいコインの一つ」と称されるのか、そのデザインに隠された秘話や、彫刻師ジョージ・T・モルガンの執念について紐解いてまいります。


銀貨

1. 彫刻師ジョージ・T・モルガンの挑戦

モルガン銀貨の名は、そのデザインを手がけたイギリス出身の彫刻師、ジョージ・T・モルガンに由来します。1876年、彼はアメリカ造幣局の助彫刻師として招かれ、新たな1ドル銀貨のデザインを任されました。

📜 伝統を打ち破る「理想のモデル」探し

当時のコインデザインは、ギリシャ神話の女神をモデルにした「古典的な理想美」が主流でした。しかし、モルガンは違いました。彼はアメリカ独自の美しさを表現するために、実在のアメリカ人女性をモデルにすることにこだわったのです。

そこで彼が出会ったのが、フィラデルフィアの幼稚園教諭であったアン・ウィレス・ウィリアムズでした。モルガンは彼女の横顔に、若々しく、かつ凛とした「アメリカの自由」を見出したのです。


2. デザインに込められた緻密な象徴(シンボル)

モルガン銀貨の表面をじっくりと眺めてみてください。そこには、単なる女性の肖像以上の意味が込められています。

🌿 自由の女神の冠に隠された意味

自由の女神(リバティ)が被っている冠には、アメリカの主要な農産物である**「小麦」と「綿花」**が編み込まれています。これは、当時のアメリカが農業国として力強く成長していくことへの願いが込められています。また、冠の縁には「LIBERTY」の文字が刻まれ、その上には「自由を象徴するフリジア帽」が配されています。

🦅 裏面に描かれた力強き白頭鷲

裏面を返せば、アメリカの象徴である白頭鷲が翼を広げた雄大な姿が刻まれています。鷲が掴んでいるのは、平和を象徴する「オリーブの枝」と、防衛の力を象徴する「矢」です。

驚くべきは、その羽の一枚一枚、鷲の鋭い眼差しまでをも再現したモルガンの彫刻技術です。この緻密な表現こそが、銀貨という小さな円の中に「国家の誇り」を封じ込めることに成功した理由なのです。


3. 西部開拓時代と「銀のラッシュ」

モルガン銀貨がこれほどまでに大量に発行された背景には、1870年代のアメリカで起きた**「コンストック・ロード(巨大銀鉱床)」**の発見があります。

ネバダ州で溢れんばかりの銀が採掘されたことで、アメリカ政府は大量の銀貨を鋳造する必要に迫られました。当時、西部劇の舞台となった酒場やギャンブル場では、このずっしりと重いモルガン銀貨がテーブルの上で景気良く鳴らされていました。

大船の地でも、かつて多くの人々が新しい生活を求めてこの街に集まり、発展を支えてきましたが、100年前のアメリカ西部でも同様に、この銀貨が人々の夢や野心を支えていたのです。


4. 奇跡の「ミントマーク」とコレクションの楽しみ

モルガン銀貨には、発行された造幣局を示す小さなアルファベット(ミントマーク)が刻まれています。

  • 「CC」マーク(カーソンシティ): 西部の銀山に近い場所で作られたこのマークは、発行枚数が少なく、現代のコレクターの間で非常に高い人気を誇ります。

  • 「S」マーク(サンフランシスコ): 美しい輝き(プルーフのような質感)を持つ個体が多いことで知られています。

100年以上の時を経て、当時の輝きを保ったまま現代に現れるモルガン銀貨は、まさに「タイムカプセル」です。経年変化によって生まれる独特の変色(トーン)も、銀貨が歩んできた歴史そのものであり、二つとして同じ表情のものはありません。


5. まとめ:大船の地で、歴史の輝きを次世代へ

「祖父が海外旅行のお土産で買ってきた銀貨がある」 「古いコインコレクションを整理したいけれど、価値がわからない」

もし、皆さまの元にこの「自由の女神」が描かれた美しい銀貨があれば、それは単なる金属の塊ではありません。19世紀アメリカの情熱と、一人の彫刻師の執念が宿った歴史的遺産です。

私たちおたからや大船東口店は、鎌倉市で最も歴史ある店舗として、モルガン銀貨一枚一枚に刻まれたストーリーを大切に受け止めます。発行年、ミントマーク、そして保存状態。それらを専門的な目で見極め、その銀貨が持つ真の価値を正しく鑑定させていただきます。

大船駅すぐの場所で、自由の女神の微笑みと共に、皆さまのご来店を心よりお待ちしております。掌に乗るアメリカの歴史、その魅力をぜひ語り合いましょう。

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