中国古銭との関係は?絵銭のデザインが影響を受けた歴史的な流れ ┃おたからや大船東口店
- おたからや大船東口店スタッフ3号

- 2025年12月24日
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大船にお住まいの皆さま、こんにちは!おたからや大船東口店です。
日本の古銭といえば、寛永通宝や一分銀など、実際に通貨として使われていたものを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、古銭コレクターの間でひそかに、そして熱烈に愛されている分野があります。それが**「絵銭(えせん)」**の世界です。
絵銭は、文字通り「絵柄」が描かれた銭(ぜに)の形をしたもので、通貨としては使用されませんでした。では、なぜこのようなものが作られ、そしてそのデザインはどのようにして生まれたのでしょうか?
その起源を辿ると、切っても切り離せない存在が、隣国・中国の古銭です。
この記事では、日本の絵銭が中国の古銭から受けた影響、デザインの変遷、そしてそれが織りなす**「貨幣の歴史」を超えた民俗的、美術的な魅力**について、コレクターズガイドとして深く掘り下げて解説いたします。ご自宅に眠る小さな銭の裏側に秘められた壮大な歴史のロマンに触れてみましょう!

1. 絵銭とは何か? — 通貨ではない「民衆の願い」を込めた銭
絵銭は、江戸時代を中心に庶民の間で広く作られた、銅や真鍮製の金属製品です。
1.1. 通貨ではないその用途
絵銭は、金や銀の価値を持つ通貨とは異なり、主に以下の目的で使われました。
お守り・縁起物: 厄除け、開運招福、商売繁盛といった願いを込めて身につけたり、家に飾ったりしました。
玩具・遊び道具: 穴を開けて紐を通し、子供の遊び道具や、賭け事のチップとして使われることもありました。
記念品・贈答品: 祭りや行事、特定の出来事を記念して作られ、配られました。
1.2. 自由で多様なデザイン
絵銭の最大の特徴は、そのデザインの自由さです。実際に使用される通貨には厳しい規制がありますが、絵銭にはそれがありませんでした。
題材: 縁起の良い動物(龍、鶴、亀)、七福神、相撲、歌舞伎、家紋、特定の寺社仏閣のモチーフなど、庶民の生活や信仰、娯楽に根ざした多様なテーマが採用されました。
2. 中国古銭から受けた「デザインの源流」
日本の絵銭のデザインや形式は、直接的、間接的に中国で数千年かけて培われた「貨幣文化」から大きな影響を受けています。
2.1. 貨幣の「円形方孔」という形式
日本の絵銭のほとんどは、**円形に四角い穴が開いた「円形方孔(えんけいほうこう)」**という形状をしています。この形式は、紀元前から中国で使用されてきた銅銭(例:開元通宝、宋銭)の最も基本的な形です。
陰陽思想: この形は、「天は円(丸)、地は方(四角)」という中国の陰陽思想に基づくとされ、この形式自体が既に縁起の良い象徴として日本に受け入れられていました。
影響: 日本の寛永通宝などもこの形を踏襲しましたが、絵銭もまたこの「銭の形式」という枠組みを引き継ぎました。
2.2. 「文字銭」から「図像銭」への展開
中国にも、実際に通貨として使われなかった「厭勝銭(えんしょうせん)」と呼ばれる装飾的な銭が存在しました。
厭勝銭: 中国の厭勝銭には、吉祥の文字を配した「文字銭」や、人物や動物をデザインした「図像銭」がありました。
影響: 日本の絵銭は、特にこの**「図像銭(絵柄)」**の文化を強く受け継ぎ、日本独自のモチーフ(七福神、相撲など)を取り入れて発展させました。中国の龍や鳳凰のモチーフもそのまま、あるいは日本風にアレンジされて多く採用されています。
2.3. 「吉祥文様」の伝来
絵銭に描かれるモチーフの多くは、中国の伝統的な**「吉祥文様(縁起の良い図案)」**に由来しています。
龍と鳳凰: 力と権威の象徴である「龍」、平和と幸福の象徴である「鳳凰」は、中国の古銭や厭勝銭によく見られるモチーフであり、日本の絵銭にも多く取り入れられました。
八卦・十二支: 中国の哲学的な概念である**八卦(はっけ)**や、十二支も、裏側に刻まれることで、魔除けやお守りとしての意味合いを強めました。
3. 日本独自の発展:「民間信仰」との融合
中国古銭の影響を受けつつも、日本の絵銭は独自の進化を遂げ、庶民の生活に深く根ざしました。
3.1. 👘 日本独自のモチーフの採用
中国から伝来した図案に、日本の風俗や信仰が融合しました。
七福神: 中国の神仙思想と日本の信仰が混ざり合った「七福神」は、開運の象徴として絵銭の定番モチーフとなりました。
相撲・歌舞伎: 江戸時代の庶民の最大の娯楽であった相撲や歌舞伎の役者絵が描かれた絵銭は、当時の流行を反映したものであり、非常にユニークな存在です。
寺社仏閣: 特定の有名な寺社の紋や、ご利益を象徴する図案が描かれた絵銭は、お土産やお守りとして人気を博しました。
3.2. 🔨 鋳造技術の多様化
絵銭は、民間の職人や鋳物師によって作られたため、正規の古銭と比べて鋳造技術や品質にばらつきがあります。しかし、その「いびつさ」や「素朴さ」こそが、かえって民芸品としての魅力を高めています。
4. 絵銭の「高価買取」ポイント:歴史を読み解く鍵
ご自宅に絵銭が眠っている場合、以下のポイントが買取価格を左右します。
4.1. 🔍 珍しい「デザイン」と「テーマ」
絵銭の価値は、素材の金属代よりもデザインの希少性に依存します。
レアモチーフ: 定番の龍や七福神よりも、特定の歴史的事件や地方の祭礼をモチーフにした地方限定のモデルや、非常に風変わりなデザインのものは、高値で取引されます。
組合銭: 複数の絵柄を組み合わせたものや、非常に文字が多いものは、コレクターからの注目度が高いです。
4.2. 🎨 「状態」と「保存の良さ」
絵銭は土中から出土したものも多く、状態が悪いものも珍しくありません。
鑑定の基本: 表面の絵柄がはっきりと残っているか、錆び(緑青)が絵柄を覆い隠していないか、欠けやヒビがないかなどが重要です。
無理な手入れはNG: 錆を落とそうとして強い洗剤を使ったり、金属ブラシで磨いたりすると、表面のディテールが失われ、価値が下がる可能性があります。そのままの状態で査定に出すことをお勧めします。
4.3. 📏 「サイズ」と「材質」の判別
材質: 銅や真鍮(しんちゅう)が主流ですが、ごく稀に銀製の絵銭も存在します。銀製であれば、素材価値が加わり高値となります。
サイズ: 極端に大きいものや小さいものなど、規格外のサイズも珍品として評価されることがあります。
5. まとめ:大船から、絵銭のロマンを未来へ繋ぐ
日本の絵銭は、中国の偉大な貨幣文化の影響を受けながらも、日本の庶民の信仰心、ユーモア、そして素朴な芸術性を融合させて独自に発展した、非常にユニークな古銭の世界です。
小さな銭の裏側に、数千年にわたるアジアの貨幣史と民俗のロマンが詰まっています。
「この古い銭、何が描いてあるかわからないけど…」「中国の古銭と日本の絵銭が混ざってるけど、価値はあるの?」
そうお悩みでしたら、ぜひ私たちおたからや大船東口店にご相談ください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
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